微粒子ショットピーニング加工は、金属表面近傍に圧縮残留応力を付与する事で、金属の疲労強度を向上させる

金属疲労とは

一般的に、金属材料に繰り返し、長時間、応力が加わると、降伏点より低い応力でも応力が集中する局部に、き裂が生じ、それが進行して破壊に至ることがあり

この現象が金属疲労、破壊面に独特の貝殻状波紋が見られるのが特徴でもある。

降伏点を超える応力が加わり、少ない繰返し回数で破壊するのが低サイクル疲労（延性材料）

弾性変形域の応力で破壊するのが高サイクル疲労

転位を動きにくくすると金属は硬く（強く）なる

・固溶体硬化

・結晶粒微細化（焼き戻しマルテンサイト）

・析出硬化（時効硬化）

・加工硬化

・変態硬化（焼入れ）

結晶粒は微細なほど転位は動きにくい

結晶粒を微細化すると硬さも向上する

結晶粒を微細化すると疲労強度も高くなる

微粒子ショットピーニングは、金属製品の表面に、目的に応じた材質の粒子を圧縮性の気体に混合して高速衝突させる表面改質技術のことです。

最表面の局所領域に強加工を導入することにより、微細結晶層、ナノ結晶層や圧縮残留応力の付加が可能です。

また、表面に微小ディンプルを形成し、油溜まり等の形状効果により摩擦摩耗特性を向上させます。

そのため、機械部品・金型等の疲労強度と摺動機能を向上させる表面改質加工処理技術として幅広い分野でのご利用が可能です。

微粒子ショットピーニング加工（粒径：20μ　セラミック球）

ショットピーニング加工（粒径：400μ　セラミック球）

圧縮残留応力は、表面起因の疲労強度を向上させ、疲労破壊による寿命を改善する事が可能

ショットピーニング後に、微粒子ショットピーニングx2種類を行う事で、深い層まで圧縮残留応力を付与する事が可能（トリプルショットピーニング加工）SNCM420H

圧縮残留応力測定も行っています。

弊社では、多数のショットピーニング材（投射メディア）を組み合わせる事により、お客様のニーズに合わせ最適な表面改質をご提供いたしております。

深い止まり穴（深さ200mm）、小径穴（φ2.0mm）などの、従来の加工方法では加工が行えない部分への微粒子ショットピーニングや、表面粗さ変化を抑え（粗面化しない）圧縮残留応力を付与する事も可能です。